
「東京23区の家賃高騰」が続くなか、毎月の支払いに追われて「将来のための貯金がなかなか増えない……」と悩んでいるご家庭は少なくありません。
住居費は、家計の中で最も大きな固定費です。この固定費を賢くコントロールすることは、実はどんな節約術よりも高い効果を発揮します。今回は、家賃を抑えて「通勤圏の戸建て」へ住み替えた場合、教育費や貯蓄が具体的にどう変わるのかをシミュレーションしてみましょう。
一般的に理想とされる「家賃 世帯所得」の比率は手取りの25〜30%ですが、現在の23区内では、この基準を守りながら家族で住める広さを確保するのは至難の業です。
例えば、月々24万円の家賃を払っている場合、年間で288万円、10年で2,880万円が「消費」として消えていきます。共働きで世帯年収が高くても、この支出が重くのしかかり、教育費の積み立てが計画通りに進まないというケースが目立っています。
ここで、23区内の賃貸から、住居費を抑えられる郊外エリアへ住み替えた場合のシミュレーションを見てみましょう。
プランA:23区の賃貸マンション 月額住居費:24万円(更新料・駐車場代別)
プランB:通勤圏の戸建て(住宅ローン) 月額住居費:14万円(駐車場代込み・4,500万円の借入例)
その差は月々10万円です。この「月10万円」を10年、20年というスパンで見ると、驚くべき金額になります。
10年後:10万円 × 12ヶ月 × 10年 = 1,200万円
20年後:10万円 × 12ヶ月 × 20年 = 2,400万円
「通勤圏 戸建て」を選ぶことで生まれるこの余剰資金は、そのまま「子どもの教育費」や「家族の資産」に直結します。
子育て世帯にとって最大の出費の一つが大学の学費です。文部科学省のデータなどによると、私立大学4年間の学費(入学金含む)は文系で約400万円、理系で約550万円以上かかるとされています。これに加えて一人暮らしの仕送りなどが必要になれば、負担はさらに増えます。
先ほどのシミュレーションで生まれた「10年で1,200万円」という余裕があれば、子どもが二人いても、学費をすべて賄った上で、さらに手元に資金を残すことができます。住居費を抑えることは、子どもの選択肢を広げることにもつながるのです。
もう一つ忘れてはならないのが、自分たちの老後資金です。 家賃は一生払い続ける必要がありますが、住宅ローンはいつか終わります。30代から40代のうちに「住宅購入 タイミング」を見極め、定年までに完済できる計画を立てることは、老後の住居費リスクをゼロにする最強の戦略です。
現役時代に住居費を抑えて浮いたお金を、将来のための積立投資などに回せれば、老後の生活水準は格段に安定します。
「東京23区に住むこと」にこだわりすぎて、将来の貯蓄や子どもの教育費を削ってしまっては本末転倒です。
少しだけ視点を変えて「通勤圏の戸建て」を選択肢に加える。それだけで、毎月の家計には10万円単位のゆとりが生まれ、家族の未来はぐっと明るいものに変わります。
住まい選びの選択肢を広げることは、今の暮らしを豊かにするだけでなく、10年後、20年後の家族を救うための「賢い投資」です。数字を味方につけて、あなたのご家庭にとって最適なバランスを見つけていきましょう。